クリスマスの時期にキャンプに行くのがクリスマスキャンプ。ライトやツリーでテントをデコレーションしたり、クリスマスディナーを作ったり。そこにはいつもとは違うキャンプの楽しみ方があります。今回ご紹介するのはダッチオーブンを使ったローストチキン。とっても手軽にクリスマスディナーが作れます。
クリスマスにローストチキンを食べるのはなぜ?
クリスマスのごちそうといえば、ローストチキンですが、クリスマスにチキンを食べるのはなぜなのでしょうか?クリスマスにチキンを食べる風習はアメリカから日本に伝わりました。本場アメリカではチキンではなく七面鳥(ターキー)を食べるのですが、日本では手に入りにくいためチキンを代用しているのです。
アメリカで七面鳥を食べるようになったのは開拓時代。食べ物が手に入りにくかった時代に1羽でたくさんの人のお腹を満たすことができる七面鳥はお祝いの日のごちそうでした。それが現代にも引き継がれ、クリスマスや感謝祭には七面鳥を食べて家族で楽しむ習慣になったのです。
ちなみにローストチキンを作るのに便利なダッチオーブンも開拓時代にアメリカで使われていたものです。オランダ人(=ダッチ)によってヨーロッパから伝えられたためダッチオーブンと名付けられたそうです。
ダッチオーブンを使ったローストチキンの作り方
クリスマスの時期になるとスーパーの店頭には丸鶏が並びます。丸鶏とは鶏肉を一羽丸ごと調理できる状態にしたものです。通常、内臓は抜いてあり中は空洞になっているので、スタッフィングと呼ばれるライスやクスクスなどの詰め物を入れることができます。丸鶏には様々なサイズがありますので、お手持ちのダッチオーブンの大きさや参加人数などで決めましょう。丸鶏の周りに野菜を詰めることを考えると、ダッチオーブンより若干小さめがおすすめです。
調理スタート
塩をすりこむローストチキンの作り方ですが、まずは買ってきた丸鶏を良く洗いキッチンペーパーなどで水気をふき取ります。全体に塩をすりこんで2時間程度寝かせます。このとき、塩以外にもクレイジーソルトやマジックソルト、スパイスなどをすりこんでも美味しくなります。
グレービーソースや甘辛いたれに漬けてから焼くタイプのローストチキンもあります。
詰め物を詰める
次にローストチキンの中に詰め物を詰めます。通常、中に詰めるのはピラフやクスクスなど。おすすめは手軽に準備できる冷凍ピラフ。味がはっきりしているカレーピラフなども相性抜群です。セロリや玉ねぎなどと一緒にピラフを詰め、タコ糸でおしりの部分を閉じます。針がなければ中身が出ないようにつまようじや竹串を閉じてもOK。
ダッチオーブンに丸鶏を入れる鍋に入れる前にタコ糸で足の部分を結びます。そうすることで出来上がりの形がきれいになります。丸鶏を入れたら、刷毛で全体に薄くオリーブオイルを塗ります。玉ねぎ、にんにく、じゃがいもなどお好みの野菜を大きめに切って一緒に鍋に入れ、最後に香りづけのローズマリーを乗せます。
焼く
いよいよローストチキンを焼きます。最初は中火~強火で15分、その後は弱火で1時間程度焼きます。蓋がしっかり閉じていることを確認してください。ダッチオーブンの場合、蓋の上に炭や薪を置いて上からも加熱することができるので、全体に均等に熱がいきわたります。
完成
丸鶏のサイズや火力によって火の通り方が異なるので、焼き過ぎないように注意しましょう。底網を敷くと丸鶏が直接鍋に触れないのでこげにくくなります。完成したら切り分けてお皿によそいます。ジューシーなチキン&肉のうまみが染み込んだスタッフィングは絶品です。
※丸鶏が手に入らない場合には手羽元や手羽先でもOK。火の通りが早いのでスピーディに焼きあがります。
ダッチオーブンの魅力とは?
ローストチキンを作るのに大活躍のダッチオーブン。ベテランキャンパーにとっては定番のキャンプギアですが、キャンプ初心者のためにダッチオーブンの魅力について解説します。
メリット
均等に熱が伝わる
ダッチオーブンのおもな素材は鋳鉄製。鋳鉄製は熱伝導に優れ、食材がムラなく加熱されるのでどんな料理も美味しく仕上がります。また焼く、蒸す、煮る、揚げるなど様々な調理法に対応しています。
圧力で中までジューシー
ダッチオーブンは蓋部分も同じ素材で作られているため全体に熱が均一に伝わります。また重い蓋を使用することによって食材に圧力がかかり、短時間で美味しく出来上がります。蓋の上に炭や薪を置いて上からも加熱することが可能です。
耐久性にすぐ入れている
鉄製のダッチオーブンは落としても割れることがなく、耐久性に優れています。ぶつけても傷がついたり、変形することがないので長く使うことができます。また使い続けるうちに油でコーティングされ焦げにくくなります。使うほどに使いやすく進化するのがダッチオーブンの魅力です。
デメリット
重い
料理が美味しくできるダッチオーブンですが、デメリットもあります。ダッチオーブンはその素材ゆえ重量がありかさばります。荷物の多いキャンプでは悩ましく感じることもありますが、持っていくものの優先順位としては高いです。
錆が出やすい
ダッチオーブンは錆びを防ぐために出荷時に油が塗られているので使用前に一度油をはがすシーズニングと呼ばれる作業が必要です。使用後も錆を防ぐために油を塗って保管しなければなりません。ちょっと面倒だなと感じる方は、最近ではシーズニング不要のダッチオーブンもありますのでチェックしてみてください。
おすすめのダッチオーブン8選
材質:本体・ふた・リッドリフター/鋳鉄 つる/スチール
こちらは脚なしタイプのダッチオーブン。キャンプなどのアウトドアで焼く・炒める・蒸す・揚げるなどマルチに活躍します。過熱され熱くなったリッドリフターで安全に持ち上げることができます。
材質:本体・ふた/鉄鋳物、表面加工/油焼き(焼付塗装)、つる/ステンレス鋼
焚火で調理できる本格的なダッチオーブン。煮る、蒸す、炊く、蓋で焼く、スモークなど様々な調理に使用できます。シーズニングは不要ですが、取扱説明書通りに使用前のお手入れを行いましょう。キャンプなどアウトドアはもちろん、ガスコンロやIHにも対応していますのでおうちでも使用できます。
重量:約6kg 容量(約):5.6L 材質:鋳鉄
脚なしタイプなので、コンロやIH調理器、オーブンでも使用できるダッチオーブン。お手入れは簡単ですが、長く使うために使用後汚れを取り除き、オイルを塗って保管してください。錆びを防ぐには、湿気のない乾燥した場所に保管するのがポイントです。ダッチオーブンとしてはもちろん、フライパンを蓋として使用することもできます。
材質:本体・フタ:黒皮鉄板4.5mm厚・クリアラッカー焼付塗装
こちらは1枚の鉄板から作られたユニフレームのダッチオーブン。熱伝導が良く、全体がムラなく加熱されるので、料理が美味しく仕上がります。圧力をかけるのに大事な蓋は均一でフラットに仕上げ、ベストなかみ合わせを実現しました。落としても割れず、急な加熱や冷却などのヒートショックにも強く作られています。レシピブック付き。
材質:キャストアイアン(鋳鉄)
キャストアイアン(鋳鉄)は熱をゆっくり伝えるので、食材の旨みを最大限引き出してくれます。調理後、鍋のままテーブルに並べることができます。
最も扱いやすい10インチの両手鍋タイプのダッチオーブン。煮る、焼く、炒める、蒸す、揚げるなど一台でこなします。また使うほどに味が出るので長く使うことができます。シーズニング済みなので購入後お湯で洗うだけですぐ使用することが可能です。シーズニング不要なので初心者や女性の方にもおすすめです。
材質:鋳鉄、他
シーズニング不要ですぐに使えるコールマンのダッチオーブン。脚なしタイプなのでおうちでも使用できます。グループキャンプに最適の大きめサイズでローストチキンを焼くのにもぴったり!リッドリフター付きなので安全です。収納ケース付きで持ち運びにも便利。
材質:ステンレス(底網:ステンレス)
シーズニング不要で手軽に使えるSOTOのダッチオーブン。ステンレス製で、1枚の大きな銅材からスピン加工で造りあげています。鋳鉄製のものは錆びに弱く、割れやすいなど難点がありますが、ステンレス・ダッチオーブンはサビ・衝撃・温度変化にも強く、丈夫です。
まとめ
簡単なのに見た目が豪華なローストチキン。クリスマスキャンプを盛り上げてくれること間違いなしですね。ダッチオーブンの魅力も再認識できました。今年はクリスマスキャンプでローストチキン作りにチャレンジしてみましょう。